注射は、看護師の日常業務において重要な役割を担っています。
しかし、正看護師と准看護師では、その業務範囲やできること、できないことに違いがあります。
医療現場で働く看護師、そして将来看護師を目指している方にとって、注射に関する知識は不可欠です。
今回は、正看護師と准看護師それぞれの注射業務について、種類や注意点、業務範囲の違いなどを分かりやすく説明します。
医療現場における注射の実際を理解し、安全な医療提供に役立ててください。
正看護師の注射業務
実施可能な注射の種類
正看護師は、皮下注射、皮内注射、筋肉注射、静脈注射(点滴を含む)など、幅広い種類の注射を行うことができます。
さらに、特定の研修を受けた看護師であれば、末梢留置型中心静脈用カテーテルの挿入や、抗がん剤など血管外漏出に対するステロイド注射、中心静脈カテーテル(IVH)の抜去といった特定行為も実施可能です。
注射の種類は、投与する薬剤や患者の状態によって医師が指示します。
注射実施における注意点
注射を行う際には、患者の状態を正確に把握し、適切な注射部位を選択することが重要です。
また、無菌操作を徹底し、感染予防に細心の注意を払う必要があります。
薬剤の投与量や速度も医師の指示に従って正確に行い、注射後も患者の状態を注意深く観察します。
万が一、異常が見られた場合は、速やかに医師に報告する必要があります。
医師の指示と看護師の役割
注射は、医師の指示に基づいて行われます。
医師は、投与する薬剤、投与量、投与方法などを指示し、看護師はその指示に従って注射を実施します。
看護師は、医師の指示を正確に理解し、安全に注射を行うことが求められます。
また、患者の状態を医師に報告し、必要に応じて医師と連携して適切な処置を行うことも重要な役割です。

准看護師の注射業務と注意点
実施可能な注射の種類と範囲
准看護師は、医師または正看護師の指示の下で、静脈注射などを行うことができます。
しかし、正看護師と異なり、単独で注射を行うことはできません。
実施可能な注射の種類も、医師の指示内容に限定されます。
医師・看護師の指示の下での注射
准看護師は、医師または正看護師の指示がない限り、いかなる注射も実施できません。
指示には、使用する薬剤、投与量、投与方法などが具体的に含まれています。
准看護師は、指示内容を正確に理解し、安全に注射を行うことが求められます。
単独での注射実施と制限事項
准看護師は、自己判断で注射を行うことはできません。
これは、医療安全上の観点から重要な制限事項です。
准看護師は、医師または正看護師の指示に従うことで、安全に医療行為に携わることができます。
看護師と准看護師の業務範囲の違い
正看護師と准看護師の主な違いは、業務範囲の広さです。
正看護師は、医師の指示の下、または独自の判断で幅広い看護業務を行うことができますが、准看護師は、医師または正看護師の指示の下でのみ業務を行うことができます。
注射に関しても、この違いが明確に表れています。

まとめ
今回は、正看護師と准看護師の注射業務について、それぞれの業務範囲や注意点、違いなどを解説しました。
正看護師は幅広い注射業務に従事できますが、准看護師は医師や看護師の指示の下でのみ注射を行うことができます。
いずれの場合も、安全な医療行為のためには、正確な知識と技術、そして患者の状態を的確に把握することが不可欠です。
注射業務に携わる看護師は、常に最新の知識を習得し、安全な医療提供に努める必要があります。
そして、看護師を目指している方にとって、この記事が将来の業務に役立つことを願っています。