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病院?クリニック?看護師が転職前に知っておくべき働き方の違い

病院?クリニック?看護師が転職前に知っておくべき働き方の違い

病院とクリニック、どちらも看護師として働くことができる医療機関です。
しかし、勤務形態や仕事内容、待遇などは大きく異なります。
それぞれの違いを理解することで、より自分に合った職場選びができるでしょう。
今回は、病院とクリニックで働く看護師の違いを、規模や役割、仕事内容、待遇、働き方といった様々な角度から比較し、解説します。

病院看護師とクリニック看護師の違いを徹底比較

病院とクリニックの規模と役割の違い

病院は20床以上の病床を持つ医療施設で、緊急搬送への対応や難病の治療など、比較的重篤な症状の治療を行う大規模な施設です。
診療科目が多く、高度な医療機器も充実しています。
一方、クリニックは0~19床の病床を持つ医療施設(無床診療所を含む)で、地域のかかりつけ医として、軽症の患者さんの診療を主に担います。
規模が小さく、設備も病院に比べて簡素な場合が多いです。
病院は高度な医療を提供する役割を担い、クリニックは地域住民の健康を支えるかかりつけ医としての役割を担っています。

入院患者数と病床数の違い

病院は20人以上の入院患者を受け入れる病床を備えているのに対し、クリニックは19人以下の入院患者を受け入れるか、または入院設備を全く持たない場合があります。
多くのクリニックは入院設備を持たない無床診療所です。

スタッフ構成と配置基準の違い

病院は、医師や看護師に加え、薬剤師、理学療法士、作業療法士、臨床検査技師など多くの多職種が連携して働いています。
スタッフ数も多く、役割分担が明確です。
一方、クリニックは医師と看護師を中心とした少人数体制で運営されていることが多く、他職種との関わりは比較的少ないです。
スタッフの配置基準も、病院の方が厳格に定められています。

看護師の仕事内容の違い:外来と病棟業務

病院では病棟業務が中心となります。
入院患者のケア、バイタルチェック、食事・排泄介助、服薬管理など、幅広い業務に携わる機会があります。
手術室勤務の機会もあるかもしれません。
クリニックでは外来業務が中心で、問診補助、バイタルチェック、採血、注射などの医師の診察補助が主な業務となります。
入院患者がいない無床クリニックでは、入院患者のケア関連業務はありません。

看護師の仕事内容の違い:専門性の違い

病院では、専門性の高い医療技術や機器に触れる機会が多く、専門性を深めることができます。
特定の診療科に特化した病院では、その分野の専門性を高めることができます。
クリニックでは、幅広い診療科の患者に対応する必要があり、多様な疾患への対応能力が求められます。
ただし、高度な専門性を必要とする処置を行う機会は少ない傾向があります。

病院とクリニックの設備の違い

病院は、高度な医療機器や設備が充実しており、大規模な手術や検査を行うことができます。
一方、クリニックは、基本的な医療機器しか備えていない場合も多く、高度な検査や治療が必要な場合は、病院への紹介となります。

それぞれの医療機関における看護師のキャリアパス

病院では、専門看護師や認定看護師などの資格取得を目指したり、管理職へのキャリアパスがあったりします。
キャリアアップの機会は豊富です。
クリニックでは、専門性を深めるよりも、幅広い看護スキルを習得する機会が多く、地域医療に貢献するキャリアを築くことができます。
キャリアパスは病院ほど明確ではありません。

病院看護師とクリニック看護師の待遇と働き方

給与と手当の違い:夜勤手当の有無

一般的に、病院の方が給与が高く、福利厚生も充実している傾向があります。
これは、病院の方が法人規模が大きく、夜勤手当などの各種手当が充実しているためです。
クリニックは夜勤がないことが多く、夜勤手当はありません。
そのため、給与は病院より低い傾向があります。

福利厚生制度の違い

病院は、規模が大きいため、健康保険や年金、退職金制度などが充実していることが多いです。
クリニックは、規模が小さいため、福利厚生が充実していない場合もあります。

勤務時間と休日休暇の違い

病院は、シフト制勤務が一般的で、夜勤や休日勤務があることが多く、生活リズムが不規則になりがちです。
クリニックは、日勤のみの勤務形態が一般的で、休日も比較的取りやすいです。

キャリアアップの機会の違い

病院は、専門性の高い医療技術を習得できる機会が多く、キャリアアップを目指しやすいです。
クリニックは、幅広い看護スキルを習得できる機会は多いですが、キャリアアップの機会は病院に比べて少ないです。

ワークライフバランスの違い

病院は、夜勤や休日勤務があるため、ワークライフバランスを保つのが難しい場合があります。
クリニックは、日勤のみの勤務が一般的で、ワークライフバランスを保ちやすいです。

病院とクリニックそれぞれのメリット・デメリット

病院のメリットは、高度な医療技術を習得できること、キャリアアップの機会が多いこと、給与や福利厚生が充実していることです。
デメリットは、夜勤や休日勤務が多く、ワークライフバランスを保つのが難しいことです。
クリニックのメリットは、ワークライフバランスを保ちやすいこと、患者とじっくり向き合えることです。
デメリットは、給与が低めであること、キャリアアップの機会が少ないことです。

まとめ

病院とクリニックでは、規模、役割、仕事内容、待遇、働き方が大きく異なります。
病院は高度な医療を提供する大規模な施設で、専門性を高めることができますが、夜勤や休日勤務も多いです。
クリニックは地域住民のかかりつけ医として、患者とじっくり向き合える環境ですが、給与や福利厚生は病院に比べて劣る傾向があります。
どちらの職場が自分に合っているかは、自分のキャリアプランやライフスタイル、重視する点によって異なります。
それぞれのメリットとデメリットを十分に理解した上で、慎重に検討することが重要です。